「布団に横になった瞬間に胃がキリキリする」「お腹が張ってどの向きになっても苦しい」……。妊娠中期、せっかくお布団に入っても、寝る体勢が定まらないとそれだけで疲れてしまいますよね。大きくなるお腹の重みを受け流し、胃の不快感をスッとやわらげてあげるための、枕の使い方と寝姿勢のコツをお伝えします。

大きくなる子宮の圧迫から胃を守る「上半身を少し高くする」工夫

横になったときの胃酸の逆流を防ぐために、非常に効果的なのが「上半身を少し高くして傾斜をつけること」です。

普通の枕だけで高さを出そうとすると首だけが折れてしまい、かえって呼吸が苦しくなったり肩こりの原因になったりします。そこでおすすめなのが、大きめのクッションや折りたたんだバスタオルを敷き、背中から頭にかけてなだらかな坂道を作る方法です。ほんの少し上半身が起き上がっているだけで、重力によって胃酸の逆流が防げ、胸のつかえが驚くほどラクになります。

体の左側を下にする「シムスの体位」が消化を助けるメカニズム

妊婦様の定番の寝姿勢である「シムスの体位(横向き寝)」ですが、夜の気持ち悪さがあるときは特に「左側を下にすること」を意識してみてください。

人間の胃は、左側に大きく膨らんだ形をしています。そのため、左側を下にして寝ることで、胃の構造上、胃酸が食道へ逆流しにくくなるのです。さらに、体の右側を通っている太い血管(下大静脈)を子宮が圧迫するのを防げるため、全身の血流が良くなり、赤ちゃんにとってもママにとっても一番リラックスできるお休みポーズになります。

バスタオルや抱き枕を使った、体圧を分散させるポジショニング

左向きのシムスの体位をとるときは、抱き枕やバスタオルをフル活用して「体に無理な力がかからないポジショニング」を作りましょう。

前に出した右足と右腕を抱き枕に乗せ、さらにお腹の下に薄くたたんだバスタオルをそっと差し込んでみてください。こうしてお腹の重みを布団へ逃がしてあげることで、腰や背中の筋肉がふんわりと緩みます。全身の力が上手に抜けると、胃の緊張もほぐれ、波が引くように心地よい眠りが訪れます。

参考文献・引用元

  • 厚生労働省「ヘルスケア情報:妊娠中のマイナートラブルとその対策」

  • 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン:妊婦の消化器症状について」

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