妊娠がわかった喜びの反面、「なぜか夜中に何度も目が覚めてしまう」「布団に入っても全く眠れなくなってしまった」と戸惑っていませんか?
「お腹の赤ちゃんに影響がないかな」「私が夜更かししているせいで赤ちゃんが育たなかったらどうしよう」と不安になる必要はまったくありません。妊娠初期の不眠には、妊婦様の体が命を育むために一生懸命働いている「優しい理由」があります。今回はそのメカニズムと、夜中の穏やかな過ごし方をご紹介します。
妊娠初期に「眠れない・夜中に起きる」のはなぜ?体の変化を知る
妊娠初期に眠れなくなるのは、あなたの心が神経質になっているからでも、お母様としての自覚が足りないからでもありません。すべては、妊娠を維持するために体内で急増している「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という女性ホルモンの影響です。
このプロゲステロンには、日中の眠気を強くする一方で、夜間の眠りを浅くし、赤ちゃんの成長のためにママの基礎体温を高く保ち続けるという大切な働きがあります。そのため、夜中にハッと目が覚めたり、細切れの睡眠になったりするのは、あなたの体が順調に「妊婦仕様」へと変化している自然な証拠なのです。「眠れないのは赤ちゃんが元気に育っているサイン」と捉え、焦らずに構えましょう。
プロゲステロン(黄体ホルモン)が睡眠に与える影響
プロゲステロンが急増すると、体温が下がりにくくなるだけでなく、脳の覚醒スイッチが入りやすくなり、少しの物音や尿意でも目が覚めやすくなります。
さらに、妊娠初期はつわりによる胃のムカムカや、おっぱいの張り、精神的な不安も重なるため、どうしても眠りの質が落ちがちです。「以前のようにぐっすり8時間眠る」というのは、この時期のホルモンバランスからすると、そもそも難しいこと。睡眠のプロとしてお伝えしたいのは、今の時期は「寝不足で当たり前」と割り切り、完璧な睡眠を目指さないことが、結果的に脳の緊張をほぐす一番の近道になるということです。
「眠れないのは赤ちゃんが元気に育っているサイン」と捉える
夜中に目が覚めてしまった時、暗闇の中で「早く寝なきゃ」と自分を追い詰めるのが一番つらいですよね。そんな時は、お腹に優しく手を当てて、心の中で赤ちゃんに話しかけてみてください。
「いま、お腹の中で一生懸命大きくなろうとしてくれているんだね。だからママのお部屋(体内環境)を温かくして、眠りを浅くしてくれているんだね。教えてくれてありがとう」
そう捉え方を変えるだけで、不眠に対する恐怖心がスーッと消えていきます。赤ちゃんはママの寝不足を責めたりしません。眠れない夜は、赤ちゃんとの静かなおしゃべりの時間として、ゆったりとしたぬくもりを感じてみてくださいね。
参考文献・引用元
厚生労働省「ヘルスケア情報:妊娠初期のマイナートラブルと過ごし方」
日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン:妊婦の睡眠障害について」
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https://essentia-sleep.co.jp/column/ninshin-shoki-column-20260729
