「左を向いて寝ても、なんだか胸が圧迫されて呼吸が浅い気がする……」そんな臨月の妊婦様へ。ただ横を向くだけでなく、クッションの力を使って「気道と肺のスペースを極限まで広げてあげる」ための、魔法のシムスポジショニングをお伝えします。
仰向け寝のリスク「仰臥位低血圧症候群」を防ぐための知識
先述した通り、妊娠後期の仰向け寝は、ママの血圧低下だけでなく、赤ちゃんへの酸素供給を減らしてしまうリスクがあります。体が無意識にそれを察知するため、仰向けになると脳が「危ない!」とアラートを出して、眠りを浅くしたり目を覚まさせたりします。
夜中に無意識に仰向けになってしまうのを防ぐためにも、最初から「横向き寝が一番心地よくて安定する」という完璧なポジショニングをベッドの中に構築してしまいましょう。
呼吸の通り道を確保する、シムスの体位の正しい姿勢と角度
呼吸をラクにするシムスの体位のコツは、「上半身を少し前に傾け、うつ伏せに近い状態にすること」です。
完全に真横を向くと、肩に体重が集中して痛くなってしまいますが、少しうつ伏せ気味に倒れ込むことで、体重が広い面(お腹の側面や太もも)に分散されます。このとき、首の下の枕はいつもより少し高め(横を向いたときに背骨がまっすぐになる高さ)に設定すると、喉の通り道(気道)がしっかりと確保され、空気が肺の奥までスーッと通りやすくなります。
抱き枕やクッションをどこに挟む?圧迫感を消すベストポジション
うつ伏せ気味のシムスの体位を支えるために、大きめの抱き枕を腕と足でしっかりとハグするように挟み込みましょう。
右腕を抱き枕の上に深く乗せることで、胸の大胸筋が開き、肺が大きく膨らむスペースが生まれます。さらに、お腹のふくらみがベッドに直接押し付けられて苦しくならないよう、お腹の下に薄いバスタオルを挟んで「浮かす」ようにサポートするのも忘れずに。この隙間のないぬくもりのクッションたちに体を100%預けられたとき、息苦しさは消え、深い安らぎの中で眠りにつくことができます。
参考文献・引用元
日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン:仰臥位低血圧症候群の予防と対応」
厚生労働省「マタニティステーション:妊娠後期の身体の変化」
