「今夜も布団に入ったら息が苦しくなるのかな……」そんな予期不安は、自律神経の交感神経を鋭く尖らせ、気道を狭くして呼吸をさらに浅くしてしまいます。お布団に入る前のひとときで、高ぶった神経をまあるく鎮め、胸をすっと開いてあげるための、優しい呼吸法とアロマセラピーの魔法をお届けします。

「また息苦しくなったら…」という不安を静めるセルフメンタルケア

夜が来るのが怖いと感じたときは、まずその不安を優しく抱きしめてあげましょう。「苦しいのは、お腹の赤ちゃんが元気いっぱいに大きくなって、私を押し上げている証拠。私はお母さんとして、今最高の仕事をしているんだな」と、主観のストーリーをあたたかいものに書き換えてみます。

そして、「もし苦しくなっても、左を向いて目を閉じていれば、私のアラート機能(自律神経)がちゃんと体を守ってくれる」と、ご自身の体に全幅の信頼を寄せてみてください。その安心感が、何よりの睡眠薬になります。

自律神経の昂ぶりを抑え、気道を広げるための優しい呼吸エクササイズ

お布団に横たわったら、胸を締め付けない楽な体勢をとり、「ストロー呼吸法」を試してみましょう。

鼻から吸うのは2〜3秒で短くて構いません。吐くときに、唇を「ストローをくわえるように」すぼめて、細く、長く、8秒以上かけて「ふぅ〜〜〜〜っ」と優しく吐ききります。息を長く吐くことで、自律神経が瞬時に「副交感神経(リラックス)」へと切り替わり、強張っていた胸周りの筋肉が緩んで、次の呼吸のときに空気が自然と胸にたくさん入ってくるようになります。

アロマの知見から選ぶ、胸がすっと開くような爽やかな香りの取り入れ方

息苦しさで胸が詰まるような夜は、香りの力を借りて、脳に「広い大自然の中にいるような錯覚」を届けてあげましょう。

アロマの知見からおすすめしたいのは、胸をすっきりと開いて呼吸を深くしてくれる「フランキンセンス(乳香)」や、森の中にいるような爽やかさで自律神経を整える「ベルガモット」の香りです。これらをティッシュに数滴垂らして枕元に置いておくだけで、鼻から吸い込んだ香りが脳の緊張の糸を優しくほどき、息苦しさを忘れるほどの深いリラックス感とともに、あなたを穏やかな眠りへと連れて行ってくれます。(使用の前に必ず医師に相談のうえお試しください)

参考文献・引用元

  • 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン:仰臥位低血圧症候群の予防と対応」

  • 厚生労働省「マタニティステーション:妊娠後期の身体の変化」