産後の後陣痛や会陰切開の傷の痛みがズキズキして、ベッドの上で体が強張っていませんか?痛みが不安を呼び、その不安が脳をさらに覚醒させるという悪循環を断ち切るために、動きが制限された入院中のベッドの上でも今すぐ実践できる、優しいリラックスと脳をゆるめる技術をお伝えします。
動きが制限されるベッドの上で、昂った神経を鎮める「腹式呼吸」
体が痛くて動けない時は、ただ「呼吸」だけに意識を集中させてみましょう。仰向け、または楽な横向きになり、そっとお腹に手を当てます。
鼻から吸う息で、傷が痛まない程度にお腹を優しくふくらませ、吐くときは口から「細く、長く、遠くへ届けるように」ふぅ〜っと時間をかけて吐ききります。息を吐き出す時間を吸う時間の2倍以上に長くすることで、昂りすぎた交感神経に強制的にブレーキがかかり、ズキズキとした痛みの感覚や脳の興奮がすっと和らいでいきます。
体の力を順番に抜いていく「筋弛緩(きんしかん)法」で脳をゆるめる
無意識に肩や奥歯に力が入っていませんか?リラックスが苦手な脳には、あえて一度思い切り力を入れてから抜く「漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)」が効果的です。
ベッドに横たわったまま、まず両肩を耳のほうにギューッと5秒間引き上げて、力を入れます。その後、フッと一気に脱力してベッドに肩をストンと落とします。これを顔や手、足でも同じように行ってみてください。一度思い切り緊張させることで、その後に「力が抜けているぬくもり」を脳がハッキリと感知し、深いリラックス状態へと導かれます。
香りが持ち込めない病室でもできる、リラックスのための聴覚・触覚ケア
多くの病院では、アロマなどの香りの持ち込みが制限されています。そんな病室でおすすめなのが「耳」と「肌触り」のケアです。
イヤホンで自然の音(川のせせらぎや雨の音)を小さな音量で聴くことで、周囲の物音をシャットアウトし、脳の覚醒を鎮めることができます。また、お家から持ってきた使い慣れたお気に入りの柔らかいタオルケットや枕カバーを1枚敷くだけでも、触覚から脳に強烈な「安心感」の信号が届き、強張った心身をふんわりと優しく包み込んでくれます。
参考文献・引用元
こども家庭庁「マタニティ・産後ケアガイド:産褥期のホルモン変化と睡眠」
日本睡眠学会「自律神経と睡眠障害のメカニズム」
