「寝たはずなのに、朝から体がずっしり重くてだるい」「一晩中、ずっと浅い夢を見続けていた気がする……」。

妊娠初期特有の細切れで浅い睡眠は、体力をジワジワと奪っていきますよね。ぐっすり大爆睡することが難しい時期だからこそ、睡眠の「長さ」にこだわるのは一度お休みして、短くても「効率よく体を休める工夫(セルフケア)」に目を向けてみませんか?睡眠のプロが、あなたの体を優しく労わる方法をお届けします。

細切れ睡眠でも大丈夫。妊娠初期の眠りの質を高める工夫

妊娠初期の浅い睡眠を乗り切る最大のコツは、「一度にまとめて8時間ノンストップで寝よう」という理想を手放すことです。ホルモンの影響で眠りが細切れになるのは防げない自然なことだからこそ、浅い眠りの中でも「いかに筋肉の緊張をほぐし、脳をリラックスさせるか」が重要になります。

たとえ夜中に3回目が覚めたとしても、それぞれの睡眠の「最初の90分」が深くリラックスできていれば、体への負担は驚くほど軽くなります。量(時間)を追うのではなく、寝室に入る前のひと工夫で、眠りの「質」を引き上げる意識を持ってみましょう。

短時間でも筋肉の緊張をほぐし、脳をリラックスさせる重要性

妊娠初期は、自律神経の乱れや不安感から、無意識のうちに肩や奥歯、お腹周りにギューッと力が入ってしまっている妊婦様がとても多いです。体が強張ったまま眠ると、脳は「今は危険な状態だ」と判断し、ますます眠りを浅くしてしまいます。

お布団に入る前に、まずは全身の「力み(りきみ)」をストンと抜いてあげること。筋肉がゆるむと、脳に「今は安全だよ、休んでいいよ」というサインが伝わり、浅い睡眠の時間帯であっても、細胞の修復や疲労回復がスムーズに行われるようになります。

就寝前のスマートフォンを控え、目元を温めるセルフケア

今日からすぐ実践できる、脳の緊張をほぐす最強のセルフケアが「おやすみ前の目元温め」です。

ベッドに入る30分前にはスマートフォンの画面を閉じ、市販のホットアイマスクや、濡らしてレンジで温めたホットタオルを目元に当ててみましょう。目の周りには、リラックスを司る「副交感神経」のスイッチが集まっています。じんわりとしたぬくもりが目元に広がると、驚くほど一瞬で全身の力が抜け、呼吸が深くなります。短時間の細切れ睡眠でも、目覚めのすっきり感が格段に変わるのを実感していただけるはずです。

参考文献・引用元

  • 厚生労働省「ヘルスケア情報:妊娠初期のマイナートラブルと過ごし方」

  • 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン:妊婦の睡眠障害について」